光の色

リビングルーム

天王洲にあるメゾネットY邸の改装に伴い、オーナーであるY様の海外人向け賃貸物件としても価値のあるようにホテルのような雰囲気にしたいとの要望を受け、玄関に始まり、廊下、二つの寝室を含めたキッチン以外の全ての部屋を照明デザインした。リビングルームのジェネラルライティングはリモコンにより、カラーの変化を楽しめる間接照明主体とした。さらに、ブラケットライトなどからの横方からの光によって、できるだけ人に美しい影が生まれるように計った。また料理や手元を集中的に照らす直接光の調整と光の色や明るさの変化も加え、総合的に、食事、映画鑑賞、ホームパーティ、くつろぎ、それぞれのシーンに合わせてlightingも連動することを可能とした。

ダイニング

ダイニングは、朝や曇りの日のための蛍光灯光源による明るいシーンと、夜は、ハロゲン光源による炎と同じ演色性と集光による美味しそうなシーンを選択できる計画とした。2017年現在、再びハロゲン光源の見直しによりLEDをハロゲンに戻す傾向がとくに欧米を中心に活発化しているそうであるが、LED普及による光質の均一化に抵抗を示す人が増加しているのではないかと考えている。

寝室

ハロゲン光源による清潔でクリアな輝きに満ちたサニタリーから一転、寝室は落ち着いた光で眠りに誘うというメリハリのある照明の構成とした。

構成

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ダウンライトで照明された共用廊下から、居住者が玄関の扉を開けた瞬間、マットに明るい光天井で迎えられる。これは、ホームと外との結界にもなっている。玄関より一階ダイニング、二階寝室やサニタリーへ通じるホール・階段・廊下は優しいLED間接光で満たし、それぞれの行先は直接光を主体とするメリハリのある構成としている。

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昼は明るく、夜は暗く、という光の構成により、サーカディアンリズムに則り居住者が健康に過ごせることを望んだ。白い壁面や光沢のある石材を活かしつつ光のカラーによる人の情緒面、免疫力に与える効果を楽しめるよう計画した。